去る1月23日、東大、筑波大、千葉大、そして理科大の4大学合同で行われる都市環境スタジオの講評会がありました。
この都市環境スタジオは、数名のグループで、柏の葉地区を対象に、都市を解読し、そこで都市スケールのデザインを行うものです。理科大では大学院の授業として設定されています。

また、「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」との連携や、講評会では市民や柏市等の自治体、三井不動産等の企業の方に来ていただくといった点に、このスタジオの特色があります。




ということで、今日はこのスタジオの講評会について少し書きたいと思います。

講評会当日は、雪がちらつく凍えるような寒さの日でした。
そんな日にも関わらず、会場には多くの自治体や企業、市民の方が集まりました。



発表の様子です。
今回は理科大と東大+筑波大でチーム組成され、理科大のチームは2組ありました。


このスタジオは、特に優秀作品を決めていないとのことでしたが、このスタジオが10年目ということに則り、理科大2チームとも10年賞という高い評価をいただきました。ありがとうございました。




ここで、2チームの提案について少し紹介したいと思います。

まずは1チーム目の「都市のプランター」です。
この提案は、柏の葉に多く存在する未利用地に、開発が始まるまでの暫定利用として、開発後の街に移植するための「木」を育てるものです。

柏の葉の緑の変遷や、残存する緑環境、現状の緑をリサーチし、柏の葉の緑をつなげていくように、未利用地の中で木を植える場所を「プランター」と設定しました。

このプランターは、市民が植木屋さんとともに苗木を植えたり、キャンプをして自然と触れ合ったりするなど、楽しみながら木への理解を深める場として機能します。そして、ゆくゆくはプランター跡地に宅地が開発されます。
提案では、現時点から宅地が開発された段階までをデザインしています。


▲開発後はプランターでの緑環境を活かした住宅が建ちます。





▲植木屋さんを中心に木の間伐が行われている様子です。



▲開発後のある住宅のテラスのパースです。プランター時代から育てた木を眺めることができます。木漏れ日のもとティータイムを楽しむことができ、心地よい風が吹き抜ける空間です。

▲この計画を行った場合、2035年の緑のマップと緑化率は上図のようになります。




▲話し合いの様子です。







続いて2チーム目の「Kashiwanoha South Field ~柏の葉キャンパス駅南口新設を起点とした都市づくり~」です。

この提案は、駅北側の開発が進む地区に比べて、裏側の扱いとなっている南側に着目し、既存の駅に南口改札を新たに設置することで南エリアのポテンシャルの発揮を促すものです。
整備は周辺開発状況に合わせながら段階的に行い、北側の外部からの集客力に注力した施設とは対照に、南は市民に密着したエリアとして育むことで北と南が相互作用しながら成熟した一つの都市を目指します。

▲提案の鳥瞰図です。新南口改札から南側を見た図です。




▲左から上の鳥瞰図中に書かれているブックカフェ、スカイウォーク、UDCKMのパースです。







▲エスキスの様子です。講師陣は教授や建築家、UDCKのスタッフの方など多岐にわたり、様々な観点から指導をいただきます。







講評会、その後の懇親会では多くの方からご意見や助言を頂くことができました。実際に柏の葉のまちづくりを行っている方々と意見を交わすことができ、非常に充実したものでした。





講評会終了時の様子です。
開放感に溢れている写真ですね!皆さんお疲れ様でしたー!




※追記
講評会に引き続き「まちの交流会 Kサロン」にて再度プレゼンをさせていただく機会をいただきました。
どなたでも参加可能とのことなので、ぜひお越しください!

日時:2月24日(水)18:30〜
場所:UDCK(アーバンデザインセンター柏の葉)

詳しくはこちら→ http://www.udck.jp/event/003272.html